ヒアルロン酸が残り続けることはある?

はじめに

「ヒアルロン酸は自然に吸収されると聞いたけれど、本当に全部なくなる?」「数年前に入れたヒアルロン酸がまだ残っている気がする」「何度も注入すると顔の中に蓄積する?」
ヒアルロン酸注入を受けたことがある方の中には、このような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
美容医療で使用されるヒアルロン酸製剤は、基本的には時間の経過とともに体内で分解・吸収されていく製剤です。
しかし、すべてのヒアルロン酸が説明された期間通りに完全になくなるとは限りません。
製剤の種類や注入した部位、量、深さなどによっては、想定より長期間残っていることもあります。
この記事では、ヒアルロン酸が体内でどのように変化するのか、長く残ることがある理由、繰り返し注入する際の注意点について詳しく解説します。

当院のヒアルロン酸の種類と詳細は下記をご覧ください。
ジュビダーム ゾアベックス ニュービア レスチレン

ヒアルロン酸は基本的に体内で分解される

ヒアルロン酸は、もともと私たちの皮膚や関節などにも存在する成分です。
美容医療で使用するヒアルロン酸製剤は、そのままではすぐに分解されてしまうため、「架橋」と呼ばれる加工を施すことで、ある程度の期間形を維持できるように作られています。
注入されたヒアルロン酸は永久に同じ状態で残るものではなく、時間の経過とともに徐々に分解されていきます。
ただし、そのスピードには大きな個人差があります。

ヒアルロン酸はどのくらいでなくなる?

ヒアルロン酸の持続期間は製剤によって異なります。
一般的には半年〜2年程度が一つの目安とされる製剤が多くありますが、これは「その期間が経過した瞬間にヒアルロン酸が完全になくなる」という意味ではありません。
多くの場合、注入直後の状態から少しずつボリュームが減少し、徐々に効果を感じにくくなっていきます。
また、製剤によって架橋の程度や硬さなどが異なるため、分解されるスピードにも違いがあります。
そのため、「ヒアルロン酸=○年で完全になくなる」と一律に考えることはできません。

数年前のヒアルロン酸が残っていることはある?

あります。
近年では、ヒアルロン酸製剤が一般的に説明される持続期間より長く残っているケースも知られています。
特に、動きが比較的少ない部位や深い層へ注入されたヒアルロン酸では、長期間残る可能性があります。
一方で、唇など動きの多い部位では、比較的早くボリュームの変化を感じることもあります。
つまり、製剤そのものの特徴だけでなく、「どこに、どの深さで注入したのか」も残存期間に影響します。

「効果がなくなる」と「ヒアルロン酸がなくなる」は同じではない

ここはヒアルロン酸治療を理解するうえで重要なポイントです。
例えば、「効果の持続期間は12か月程度」と説明された場合、12か月後に注入したヒアルロン酸が完全にゼロになっているとは限りません。
見た目としてボリュームアップ効果を感じにくくなっていても、少量のヒアルロン酸が組織内に残っている可能性があります。
反対に、ヒアルロン酸がある程度残っていても、加齢によって周囲の脂肪や骨格、皮膚の状態が変化することで、「効果がなくなった」と感じる場合もあります。
そのため、見た目だけから残存量を正確に判断することは難しいことがあります。

ヒアルロン酸が長く残る理由

ヒアルロン酸の残り方には、いくつかの要因が関係します。
まず大きいのが製剤の違いです。
ヒアルロン酸製剤には、柔らかくなじみやすいものから、形を維持しやすい硬めのものまでさまざまな種類があります。
また、注入する場所や深さ、注入量、患者様自身の代謝などによっても分解されるスピードは異なります。
さらに、同じ製剤を使用しても、一人ひとりの組織の状態によって残り方が変わることがあります。
ヒアルロン酸の持続期間は、あくまでも目安として考えることが大切です。

繰り返し注入すると蓄積する?

ヒアルロン酸を定期的に注入している場合、前回の製剤が完全に吸収される前に追加注入を行うことがあります。
この場合、以前のヒアルロン酸が残っている状態で新しい製剤を追加することになるため、結果としてボリュームが少しずつ増えていく可能性があります。
特に注意したいのが、「以前より減った気がするから」という理由だけで毎回同じ量を追加してしまうことです。
少量ずつの変化は自分では気付きにくいため、繰り返しているうちに頬や額、唇などが必要以上に膨らみ、不自然な印象になることがあります。
ヒアルロン酸治療では、毎回ゼロから注入量を考えるのではなく、「前回のヒアルロン酸がどの程度残っている可能性があるか」も考慮することが重要です。

ヒアルロン酸を入れ続けると顔がパンパンになる?

適切な量と間隔で治療を行っていれば、ヒアルロン酸を繰り返したからといって必ず顔がパンパンになるわけではありません。
問題になりやすいのは、残っているヒアルロン酸を考慮せず、必要以上に追加注入を繰り返した場合です。
特に、ほうれい線や頬などの「気になる溝」だけを毎回埋め続けると、顔全体のバランスが崩れてしまうことがあります。
ヒアルロン酸によるエイジングケアでは、シワを完全になくすことよりも、顔全体の骨格やボリュームバランスを見ながら必要な部分だけを補うことが重要です。

残っているヒアルロン酸を確認する方法はある?

触診や見た目だけでは、過去に注入したヒアルロン酸がどの程度残っているのか判断が難しいケースがあります。
そのような場合には、超音波(エコー)などを使用して確認する方法があります。
特に、過去に複数回ヒアルロン酸注入を受けている場合や、どの製剤をどこへ注入したのか分からない場合、しこりや不自然なふくらみがある場合などでは、状態を確認したうえで治療方針を決めることが重要です。
過去の施術歴が分かる場合は、診察時に使用した製剤名や注入部位、時期などを医師へ伝えるようにしましょう。

長く残っていたら溶かした方がいい?

ヒアルロン酸が残っているからといって、必ず溶かす必要があるわけではありません。
見た目に問題がなく、痛みや腫れ、しこりなどもなければ、そのまま経過を見ることもあります。
一方、不自然なボリュームが出ている場合や、しこり・凹凸が気になる場合、今後の治療の妨げになっている場合には、ヒアルロニダーゼを用いた溶解を検討することがあります。
重要なのは、「古いヒアルロン酸だから溶かす」のではなく、現在の状態を確認したうえで必要性を判断することです。

ヒアルロン酸治療では「足し続けない」ことも大切

ヒアルロン酸注入というと、「減ったら追加する」というイメージを持たれがちです。
しかし、自然な仕上がりを維持するためには、あえて追加しないという判断が必要になることもあります。
年齢とともに顔の骨格や脂肪、皮膚は変化していくため、数年前と同じ場所へ同じ量を注入することが最適とは限りません。
その時点の顔全体を診察し、必要な部分と必要でない部分を見極めることが重要です。
特に長期間ヒアルロン酸治療を続ける場合は、単純に注入を繰り返すのではなく、定期的に治療計画そのものを見直すことが自然なエイジングケアにつながります。

まとめ

美容医療で使用するヒアルロン酸は、基本的には時間とともに体内で分解・吸収されます。
しかし、製剤の種類や注入部位、深さ、量などによっては、一般的に説明されている持続期間よりも長く残ることがあります。
また、「効果を感じなくなった=ヒアルロン酸が完全になくなった」とは限りません。
以前の製剤が残っている状態で追加注入を繰り返すと、必要以上のボリュームにつながる可能性もあるため注意が必要です。
ヒアルロン酸治療で自然な仕上がりを長く維持するためには、単純に「減ったら足す」のではなく、過去の注入歴や現在の顔全体のバランスを確認しながら、必要な量だけを適切な部位へ注入することが大切です。


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篠﨑 智公

この記事の監修者

院長

篠﨑 智公

2014年、福岡大学医学部医学科卒業。形成外科・美容外科専門医。たるみ治療、豊胸をはじめ、幅広い美容施術を得意とし、患者一人ひとりに寄り添った丁寧なカウンセリングに定評がある。

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