ヒアルロン酸注入は危険?知っておきたいリスクと副作用

はじめに

「ヒアルロン酸注入は手軽そうだけど危険性はない?」「失明することがあると聞いて怖い」「どんな副作用が起こる可能性がある?」
ヒアルロン酸注入は、ほうれい線や頬のコケ、目の下、額、あご、唇など、さまざまな部位のボリュームや形を整えるために行われる美容医療です。
メスを使わず、比較的短時間で受けられることから「気軽な美容施術」というイメージを持たれることもあります。
しかし、ヒアルロン酸注入は医療行為です。腫れや内出血といった比較的軽い副作用だけでなく、頻度は低いものの、血管塞栓による皮膚壊死や視力障害など重大な合併症が起こる可能性もあります。
この記事では、ヒアルロン酸注入で起こる可能性のあるリスクや副作用、安全に治療を受けるために知っておきたいポイントについて詳しく解説します。

当院のヒアルロン酸の種類と詳細は下記をご覧ください。
ジュビダーム ゾアベックス ニュービア レスチレン

ヒアルロン酸注入は危険な治療?

ヒアルロン酸注入そのものを、一概に「危険な治療」と考える必要はありません。
ヒアルロン酸はもともと人体にも存在する成分で、美容医療で使用されるヒアルロン酸製剤の多くは、時間の経過とともに徐々に分解・吸収されていきます。
一方で、安全性が高いイメージがあるからといって、リスクがないわけではありません。
顔には多くの血管や神経が走っており、注入する場所や深さ、量などを誤ると合併症につながる可能性があります。
そのため、ヒアルロン酸注入では製剤選びだけでなく、顔の解剖を理解したうえで適切な位置へ注入することが非常に重要です。

よくある副作用

腫れ・赤み

ヒアルロン酸注入後には、注入した部分に軽度の腫れや赤みが出ることがあります。
針やカニューレを皮膚へ挿入することによる刺激や、ヒアルロン酸を注入したことによる一時的な反応です。
特に唇や目元などは腫れが目立ちやすい部位です。
多くの場合は時間の経過とともに落ち着いていきますが、腫れの程度や続く期間には個人差があります。

内出血

注射針やカニューレが細い血管に触れることで、内出血が起こることがあります。
紫色や黄色っぽく見えることがありますが、多くの場合は時間とともに薄くなっていきます。
内出血はヒアルロン酸注入に限らず、注射を伴う治療では一定の確率で起こる可能性があります。
大切な予定がある場合は、施術直後に内出血が出る可能性も考えて、余裕を持ったスケジュールで治療を受けるとよいでしょう。

しこりや凹凸ができることもある

ヒアルロン酸注入後、触ったときに硬さやしこりを感じたり、表面に凹凸が見えたりすることがあります。
施術直後であれば、腫れやヒアルロン酸がまだ組織になじんでいないことが原因の場合もあります。
一方、一か所へ多く注入した場合や、皮膚に対して浅すぎる位置へ注入した場合、使用する製剤が部位に適していない場合などでは、凹凸が残ってしまう可能性があります。
また、頻度は高くありませんが、施術から時間が経ってから炎症性の結節などが現れるケースも報告されています。

ヒアルロン酸の「入れすぎ」もリスクの一つ

重大な合併症ではありませんが、美容的な失敗として注意したいのが過剰注入です。
ヒアルロン酸は不足しているボリュームを補う治療ですが、たくさん入れれば若々しくなるわけではありません。
頬やほうれい線、額、唇などへ必要以上に注入すると、顔が膨らんで見えたり、本来の骨格から離れた不自然な印象になったりすることがあります。
特に繰り返し治療を受けている方では、以前注入したヒアルロン酸が残っている可能性も考慮する必要があります。
毎回同じ量を追加するのではなく、その時点の顔全体の状態を確認して必要な量を判断することが大切です。

注意したい「血管塞栓」とは?

ヒアルロン酸注入で特に注意が必要な合併症が、血管塞栓です。
注入したヒアルロン酸が誤って血管内へ入ったり、周囲から血管を圧迫したりすることで血流が妨げられることがあります。
血液が十分に届かなくなると、その先にある皮膚や組織がダメージを受け、重症の場合には皮膚壊死につながる可能性があります。
血管塞栓そのものはまれな合併症ですが、起こった場合には速やかな対応が必要です。

ヒアルロン酸で失明することはある?

非常にまれではありますが、顔へのフィラー注入に伴う視力障害や失明は報告されています。
顔の血管は目の周囲の血管ともつながっているため、誤って血管内へ注入された製剤が血流に影響すると、眼への血流障害につながる可能性があります。
頻度が低いからといって無視してよいリスクではありません。
どの部位にどの血管が走っているのかを理解し、適切な注入方法を選択することが安全性を高めるうえで重要になります。

感染や炎症が起こることもある

ヒアルロン酸注入では、感染や炎症が起こる可能性もあります。
施術後に強い赤みや腫れ、熱感、痛みなどが続く場合には注意が必要です。
また、注入直後ではなく、数週間から数か月以上経過してから腫れや硬いしこりなどが現れるケースもあります。
遅れて起こる炎症には複数の原因が考えられるため、「以前入れたヒアルロン酸だから関係ない」と自己判断せず、施術歴を医師へ伝えたうえで診察を受けることが大切です。

ヒアルロン酸なら失敗しても溶かせる?

ヒアルロン酸製剤には、ヒアルロニダーゼという酵素を用いて溶解できるという特徴があります。
そのため、過剰なボリュームや凹凸などが問題となった場合には、状態に応じて溶解を検討できます。
しかし、「ヒアルロン酸は溶かせるから失敗しても大丈夫」という考え方は適切ではありません。
特に血管塞栓や視力障害などでは、時間が非常に重要になることがあります。
また、ヒアルロニダーゼによる治療にもリスクがあるため、最初から適切な製剤・量・位置を選択することが重要です。

こんな症状があったらすぐに相談を

施術後の軽い腫れや内出血は比較的よくみられますが、通常とは異なる症状には注意が必要です。
特に、強い痛み、皮膚が白くなる・青紫色になるなどの色調変化、急激に悪化する腫れ、視界がぼやける・見えにくいなどの視覚異常が現れた場合は、速やかに医療機関へ連絡する必要があります。
「翌日まで様子を見よう」と自己判断せず、異変を感じたら早めに相談することが重要です。

安全にヒアルロン酸注入を受けるために大切なこと

ヒアルロン酸注入のリスクを完全にゼロにすることはできません。
そのため重要なのは、リスクが起こる可能性を前提として、安全性を高める対策が取られているかどうかです。
顔の解剖を十分に理解した医師が施術することはもちろん、部位に適した製剤を選択すること、必要以上に注入しないこと、過去の注入歴を確認することなども重要です。
さらに、万が一血管塞栓などが疑われた際に、速やかに対応できる体制が整っているかどうかもクリニック選びのポイントになります。

まとめ

ヒアルロン酸注入では、腫れ、赤み、内出血、痛み、しこり、凹凸などの副作用が起こる可能性があります。
さらに頻度は低いものの、感染や血管塞栓、皮膚壊死、視力障害などの重大な合併症も報告されているため、「手軽な美容施術だからリスクも少ない」と考えるべきではありません。
一方で、リスクを必要以上に恐れるのではなく、正しく理解したうえで治療を選択することが大切です。
ヒアルロン酸注入では、顔の解剖を理解した医師による診断と施術、適切な製剤・注入量・注入層の選択、そして万が一のトラブルに速やかに対応できる体制が、安全性を高めるうえで重要になります。
「どれだけ変化させられるか」だけでなく、「自然に、そして安全に治療できるか」という視点でクリニックや治療方法を選ぶことが大切です。


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篠﨑 智公

この記事の監修者

院長

篠﨑 智公

2014年、福岡大学医学部医学科卒業。形成外科・美容外科専門医。たるみ治療、豊胸をはじめ、幅広い美容施術を得意とし、患者一人ひとりに寄り添った丁寧なカウンセリングに定評がある。

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