2025/12/30
美容皮膚科
#シミ取り
#肝斑
#色素沈着
シミ治療で逆に濃くなったのはなぜ?原因と対処法を美容皮膚科医の視点で解説
「シミ治療を受けたのに、前より濃くなった気がする」
「レーザー後、シミが浮き上がってきて不安になった」
「一度は薄くなったのに、時間が経ってからまた濃くなった」
シミ治療は美容医療の中でも非常に一般的で、多くの方が「肌をきれいにしたい」「若々しい印象を取り戻したい」という目的で受けています。しかし実際には、治療後に「逆にシミが濃くなった」「悪化したように見える」と感じるケースも少なくありません。
本来、シミ治療は改善を目的としたものです。それにもかかわらず、なぜこのような現象が起こるのでしょうか。本記事では、シミ治療後にシミが濃くなったと感じる主な原因を、皮膚の仕組みや治療の特性を踏まえて詳しく解説します。
そもそもシミ治療とはどのような治療か
シミ治療とは、皮膚に沈着したメラニン色素を減らし、肌の色ムラやくすみを改善することを目的とした美容医療です。代表的な治療法には、レーザー治療、光治療(IPL)、ピーリング、内服・外用治療などがあります。
多くの方が「シミは一度取れば終わり」「治療すればすぐ薄くなる」と考えがちですが、実際の皮膚は非常に繊細で、刺激に対して防御反応を起こす性質を持っています。この皮膚の防御反応こそが、「シミが濃くなった」と感じる原因の一つです。
シミ治療で逆に濃くなったと感じる原因
炎症後色素沈着が起きている
シミ治療後に最も多く見られる原因が、炎症後色素沈着です。
レーザーや光治療は、シミの原因であるメラニンに反応させて破壊する治療ですが、その過程で皮膚に少なからず炎症が起こります。皮膚は炎症を受けると、自らを守ろうとしてメラニンを過剰に生成することがあります。
この結果、一時的に治療部位が茶色くなり、「前よりシミが濃くなった」「悪化した」と感じてしまうのです。
炎症後色素沈着は失敗ではない
炎症後色素沈着は、治療が失敗したわけではなく、皮膚の正常な反応として起こるものです。多くの場合、数か月から半年ほどで徐々に薄くなっていきます。
しかし、この期間中に強い紫外線を浴びたり、摩擦や刺激を与えたりすると、色素沈着が長引いたり、濃く残ってしまうことがあります。
シミの種類に合っていない治療を受けている
シミと一言で言っても、その種類はさまざまです。
- 老人性色素斑
- そばかす
- 肝斑
- 炎症後色素沈着
- ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)
それぞれ原因や存在する層が異なるため、適した治療法も異なります。
特に注意が必要なのが肝斑です。肝斑は刺激に弱く、レーザーや強い光を当てることで、逆に悪化することがあります。肝斑とシミを正確に見分けずにレーザー治療を行うと、「治療後に一気に濃くなった」と感じる原因になります。
一時的にシミが浮き上がって見えている
レーザー治療後、シミ部分が一時的に濃く見えることがあります。これは、破壊されたメラニンが皮膚表面に集まり、かさぶたや濃い色素として浮き上がってくるためです。
この段階では、「明らかに前より濃い」と感じることが多いですが、かさぶたが自然に剥がれ落ちると、下から薄くなった肌が現れます。
無理にこすったり、剥がしたりすると炎症が強くなり、色素沈着が残りやすくなるため注意が必要です。
紫外線対策が不十分
シミ治療後の肌は、通常よりも紫外線の影響を受けやすい状態です。治療後に十分な紫外線対策を行わないと、メラニン生成が活発になり、シミが濃くなったり、新しいシミができたりすることがあります。
「冬だから大丈夫」「短時間だから平気」と油断してしまうと、治療効果が十分に得られないばかりか、逆効果になることもあります。
摩擦やスキンケアによる刺激
治療後の肌は非常にデリケートです。洗顔やクレンジング、スキンケアの際に強くこすったり、刺激の強い化粧品を使用したりすると、炎症が長引き、色素沈着が残りやすくなります。
「早く元に戻したい」「しっかりケアしたい」という思いが、逆に刺激となってしまうケースも少なくありません。
複数回治療が必要なシミである
シミの種類や深さによっては、1回の治療で完全に改善することが難しいものもあります。特に深い層に存在するシミは、治療を重ねる過程で一時的に濃く見えることがあります。
この場合、「悪化した」のではなく、「改善の途中段階」である可能性が高いと言えます。
シミ治療後にやってはいけない行動
シミ治療後に以下のような行動を取ると、色素沈着が悪化しやすくなります。
- 紫外線対策をしない
- かさぶたを無理に剥がす
- 強い摩擦を与える
- 自己判断で治療を中断する
- 刺激の強いスキンケアを使う
治療効果を最大限に引き出すためには、術後の過ごし方が非常に重要です。
シミ治療で後悔しないために知っておきたいポイント
シミ治療で「逆に濃くなった」と感じないためには、事前に正しい知識を持つことが大切です。
- シミの種類を正確に診断してもらう
- 治療後に一時的に濃く見える可能性があることを理解する
- 紫外線対策と摩擦対策を徹底する
- 治療効果が出るまでの期間を把握する
- 医師の指示に従って経過を見守る
シミ治療は「すぐに結果が出る治療」ではなく、時間をかけて肌を整えていく治療であることを理解することが重要です。
まとめ
シミ治療後に「逆に濃くなった」と感じるケースの多くは、炎症後色素沈着や治療過程で起こる一時的な変化によるものです。必ずしも治療が失敗したわけではありません。
正しい診断、適切な治療選択、そして術後のケアを行うことで、時間とともにシミは徐々に改善していきます。不安を感じた場合は自己判断せず、必ずクリニックで相談することが大切です。
シミ治療は、肌の状態を正しく理解し、丁寧に向き合うことで、初めて満足のいく結果につながる治療と言えるでしょう。
この記事の監修者
院長
篠﨑 智公
2014年、福岡大学医学部医学科卒業。形成外科・美容外科専門医。たるみ治療、豊胸をはじめ、幅広い美容施術を得意とし、患者一人ひとりに寄り添った丁寧なカウンセリングに定評がある。
