2025/12/10
ボトックス
美容皮膚科
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しわの種類ごとに最適な治療は違う?表情じわ・たるみじわの見分け方と対処法
しわは加齢の象徴として知られていますが、実際には「年齢だけが原因」ではありません。紫外線、乾燥、表情のクセ、骨格変化、筋肉の衰えなど複数の要因が絡み合い、種類によって最適な治療も大きく異なります。
この記事では、美容医療の現場で扱われる専門分類に基づき、
しわの種類ごとの原因・特徴・治療選択のポイントまで、わかりやすく解説します。
しわには4種類ある
しわは大きく4タイプに分類され、それぞれ原因がまったく異なります。
自分のしわの“正体”を理解することが、治療を成功させる第一歩です。
表情しわ(動的しわ)
筋肉の動きによって折りジワのように刻まれていくタイプ。
代表例:眉間・おでこ・目尻の笑いじわ・鼻根部のバニーライン
原因
・表情筋の過剰な収縮
・表情のクセ(眉間に力を入れる、笑い方の癖など)
・筋肉の張力のアンバランス
特徴
・動かした時に深くなる
・早い人は20代から出る
・放置すると“固定じわ”に進行する
治療
・ボトックス注射
・ボトックス+スキンブースターの併用
乾燥小じわ(ちりめんじわ)
肌表面の水分不足によって、細かいシワがネット状に出るタイプ。
代表例:目元まわり、口元、頬の細かいシワ
原因
・角層の水分不足
・バリア機能の低下
・間違ったスキンケア
・季節性の乾燥
特徴
・メイクがヨレる
・保湿すると一時的に改善
・放置すると真皮層のしわに進行する
治療
・エレクトロポレーション(保湿導入)
・ハイラアクティブ系スキンブースター
・ゼオスキン(RCクリーム、デイリーPD など)
・水光注射
真皮じわ(深いしわ)
肌のハリ構造(コラーゲン・エラスチン)が崩れ、溝のように刻まれるしわ。
代表例:ほうれい線、マリオネットライン、ゴルゴライン
原因
・紫外線ダメージ
・線維芽細胞の老化
・加齢によるコラーゲン低下
・表皮の萎縮
特徴
・保湿では改善しない
・影ができやすく、老け見えの原因に
・複数の要因が重なり「改善に時間がかかる」
治療
・ヒアルロン酸注射
・HIFU(ウルトラセルQ+など)
・RF(ポテンツァRF)
・PRPや幹細胞上清など再生医療
構造的しわ(たるみ由来のしわ)
顔の土台である脂肪・筋膜・骨の変化によって起きるしわ。
代表例:ほうれい線が深い、あご下のたるみ、頬の影
原因
・骨吸収(特に40代以降)
・筋膜(SMAS)のゆるみ
・脂肪の位置が下がる
・重力
特徴
・引き上げ系治療が必要
・スキンケアではほぼ改善しない
・たるみ+しわがセットで起こる
治療
・HIFU(たるみリフト)
・糸リフト
・ヒアルロン酸の“構造的注入”(マイクロカニューレ)
・エネルギーデバイスとの複合治療
紫外線・生活習慣も大きな原因になる
しわは老化だけではなく、生活習慣によって大きく進行します。
紫外線(UVA)
UVAは真皮に届き、コラーゲン破壊、エラスチン変性、線維芽細胞の老化を引き起こします。
対策
・365日の日焼け止め
・PA++++の高いものを使用
・室内・曇りの日でも塗る
不十分な睡眠
細胞修復ホルモン(成長ホルモン)は睡眠中に分泌されるため、
睡眠不足は肌の老化速度を速めます。
対策
・入眠の1時間前はスマホNG
・睡眠時間 6.5〜7.5時間が理想
間違ったスキンケア
次のようなケアは、むしろしわを進行させます。
・強い摩擦
・アルコール量が多い化粧水
・クレンジングの擦りすぎ
・過度な皮脂オフ
しわの種類別|最適な治療の選び方
しわは「種類によってアプローチがまったく違う」ため、間違った治療を選ぶと改善しません。
表情しわは“筋肉にアプローチ”
表情じわは筋肉が原因のため、 ボトックスが最も効果的です。
少量から始め、不自然になりやすい部位は経験豊富な医師を選ぶことがポイントです。
定着までは2週間程度かかります。
乾燥小じわは“保湿導入 or スキンケア”
乾燥によるシワは、まず角層の水分保持が最優先。
エレクトロポレーション、スキンブースター、ゼオスキンの保湿ライン、ヒアルロン酸導入が効果的です。
真皮じわは“コラーゲン再生+ヒアルロン酸”
深い溝には、以下のように複合アプローチが有効。
ヒアルロン酸でボリュームを戻す、RF/フラクショナルで真皮再生、PRPで線維芽細胞活性化などが効果的です。
たるみ由来のしわは“引き上げ+骨格補正”
たるみにはスキンケアは効きません。
HIFUでSMASを引き上げ、骨格の凹みにはヒアルロン酸、強い下垂には糸リフトが有効です。
自宅でできるしわ予防ケア
しわ治療の効果を長持ちさせるためには、日常のケアが欠かせません。
適切な保湿
セラミド、ヒアルロン酸、ナイアシンアミドが入った美容液を使用。
日焼け止めの徹底
しわ対策の“最重要項目”。
PA++++・SPF30以上が毎日必要。
レチノールの活用
レチノールはしわ改善のエビデンスが高く、
継続でハリ感が大幅アップ。
注意:赤み・皮むけが出やすいので低濃度から。
まとめ
しわは、乾燥、筋肉のクセ、たるみ、真皮の老化、紫外線など複数要因が重なる「複雑な症状」。
しかし種類ごとに正しくアプローチすれば、確実に改善が可能です。
表情しわ → ボトックス
乾燥小じわ → 保湿導入
真皮じわ → ヒアルロン酸+再生
たるみ由来のしわ → HIFU・糸リフト
今自分にどれが当てはまるかを知ることが、美肌への最初の一歩です。
この記事の監修者
院長
篠﨑 智公
2014年、福岡大学医学部医学科卒業。形成外科・美容外科専門医。たるみ治療、豊胸をはじめ、幅広い美容施術を得意とし、患者一人ひとりに寄り添った丁寧なカウンセリングに定評がある。